私の好きだったもの

私のすきなものは、私の強みは、私にはこんなところがあります。


手が覚えるほどに書き続けたエントリーシート

スラスラと言えるようになった自分の長所。短所。やりたいこと。夢。普段考えていること。社会について。最近嬉しかったこと。悲しかったこと。今日ここに来るまでに起こったこと。


なんだっけ。


私の長所は誰にでも臆することなく話しかけることが出来る事。そんなこと。誰だってできる。いくらでもいる。


夢。地域に根ざしたアナウンサー。

街で声をかけられるような、そんな人。街で一番街に詳しい人。学んだこと、関心領域を活かして少子高齢化により深く切り込みたい。声を反映したい。代弁者でありたい。


そうだったのかな。どこかのエントリーシートの見本から写したんじゃないの。もう出所がどこかわからない。私の夢だったもの。

たくさんたくさん聞かれて、話して、落とされて、好きってなんだったんだろう。


受かった子と私。決定的に違うもの。高い壁。

賢い、表現力がある、タイムキープ力も高い、ずっと褒められた。

きっとなれる。私はきっとなれる。信じて疑わなかった。根拠のない自信を信じられた。


エントリーシートに書くためには自己分析が必要。好きなものはなぜ好きなのか、嫌いなものはなぜ嫌いなのか。

好き、お祭りごと。昔からお祭りの雰囲気とかが好きだった。沢山の人と触れ合えるから、みんなが笑顔でいる空間が好き、みんなが仲間みたいに感じるから、だから私はそんな楽しい空気をそのままの熱量で届けられるアナウンサーになりたいです。


嫌いなもの、舌打ち。街中でも、電車でも、些細なことで舌打ちをする人がいる。何に怒っているのか、伝えるでもなく、ただ自分の苛立ちだけを伝える。気分を害することが目的の行為、不毛だと思う。

そんな些細な怒りや苛立ちさえもユーモアに繋げられる、1日の苛立ちをスッキリさせられるようなアナウンサーになりたいです。



あの頃の自信には根拠があったはずだった。

何ができたのかわからなくなった。エントリーシートに書いたことが全部嘘みたい。

よりわかりやすく伝えやすく興味を引けるように、


私はただ音読が好きだった小学四年生の女の子になりたい。